ECサイトやネットショップ、フリマアプリで服を販売するとき、重要になるのが商品画像の撮影。
以下のような悩みを持つ人も多いでしょう。
- 服の撮り方が分からない
- 商品画像がおしゃれに見えない
- 画像が見づらく服が売れない
そこで今回は、服を撮る際のコツや注意点について解説していきます。
撮影のプロも実践している優れたテクニックをご紹介しますので、ぜひ最後までご覧いただき、撮影にお役立てください。
目次
【基本】服の撮影で押さえるべき4つのコツ
服の撮影で押さえるべき基本のコツは以下の4つです。
- 明るい場所で撮影する
- 背景の色は白かナチュラル系を選ぶ
- 服の生地感が伝わるように撮る
- 撮り方にバリエーションを出す
順番に解説していきます。
明るい場所で撮影する
服は、明るい光のもとで撮影した写真のほうが美しい印象をあたえることができます。
以下の2枚の写真を比較して、印象が良いのはどちらでしょうか?
多くの方は、左よりも右の写真に良い印象を受けるでしょう。2枚は同じ構図ですが、左の写真は日陰で撮影し、右の写真は日光を当てて撮影しました。
このように、明るい光を当てて撮影した方が服をきれいに見せることができます。そのため、撮影は必ず明るい場所で行いましょう。
注意点としては、日光または撮影用の照明を使うことをおすすめします。室内のライトだと光が弱く服全体が暗い印象になってしまうからです。
自宅などスペースが限られている場所で、どうしても影が入ってしまうという場合も、なるべく服に光が当たるように配置してください。服の大部分に光を当てることで、十分に魅力を引き出すことができますよ。
背景の色は白かナチュラル系を選ぶ
服を撮影する際の背景には必ず白かナチュラル系の色を選びましょう。
ここでいうナチュラル系の色とは、ベージュやオフホワイト、グレーなどを指します。蛍光色やビビッドカラーは服と色彩のバランスをとるのが難しいだけでなく、背景の方が目立つことで、本来持っている服の良さをころしてしまいます。
また、背景では色以外にも素材が重要に重要です。色と同じように、素材も奇抜すぎると被写体の魅力を邪魔してしまうからです。おすすめは、シーツなどの布地やコンクリートのような無機質な素材、カーペットのような短い毛並みがある素材など。いずれも一般的な家で用意できるので、ご自宅にあるものと相談して撮影してください。
服の生地感が伝わるように撮る
ネットで服を購入する際に最も伝わりにくいのが、生地感です。そのため、なるべく写真から生地感が伝わるように工夫をしましょう。
服の生地感を伝えるために重要なことは以下の3つです。
- 明るい場所で撮影する
影が多い場所だと服の印象が暗く見えるだけでなく、生地感が伝わりにくくなってしまいます。明るい場所で撮影しましょう。
- 画像のピンボケを避ける
画像がピンボケしていると、服の生地感が上手く伝わりません。一眼レフのような高価なカメラで撮影する必要はありませんが、鮮明に撮れているか、撮影する際に指などが入り込んでいないかの確認はしっかりと行いましょう。
- 服の一部分をクローズアップして撮影する
服全体が見える画像も必要ですが、生地感を伝わりやすくするには服の一部を拡大して撮影するのも効果的です。具体的には、シャツであれば襟元や袖などのポイントを拡大して撮るのが良いでしょう。
以上の3点を押さえて、服の生地感が伝わりやすい写真を撮影しましょう。
【平置き】置いて撮影する際のポイント
平置きで服を撮影する時の撮り方のポイントは以下の2つです。
- 服に膨らみを持たせる
- 小物と一緒に撮影する
順番に解説していきます。
服に膨らみを持たせる
『【基本】服の撮影で押さえるべき4つのコツ』で使用した画像をもう一度例に取り上げます。
こちらはYシャツを撮影した画像ですが、あえてシワ感を出すことで服に膨らみを持たせています。
また、両袖を曲げた状態で撮影してある点もポイントです。人が服を着用すると必ず服にシワが現れます。また、両腕をピンと伸ばしている時間よりも腕も曲げている時間の方が長いはずです。そのため、平置きで撮影する際も服に膨らみを持たせることで、着用した時のイメージや服の生地感を効果的に購入者に伝えることができます。
平置きで撮影する際は、服に膨らみを持たせて撮影するように心がけましょう。
小物と一緒に撮影する
平置きで撮影する際の2つ目のポイントは服を小物と一緒に撮影することです。次の画像をご覧ください。
この画像はYシャツと革靴、眼鏡を一緒に撮影しています。
服を小物と一緒に撮影するメリットは、コーディネートのイメージが湧くことです。上の画像はYシャツ、革靴、眼鏡が一緒に写っているため、Yシャツを着用した際のイメージが湧きます。
トップス、ボトムス、シューズなどコーディネートに必要なアイテムを全て揃えると、服を着たときの様子をそのまま想像できるのでベストです。
服と小物を一緒に撮影する際の注意点は、アイテムの系統を統一させること。例に挙げた画像はYシャツ、革靴、眼鏡といった「キレイ目」をテーマにして撮影しています。この写真に、カジュアルでインパクトの強いチェーンネックレスを合わせたらどうでしょうか?「キレイ目」のバランスが一気に崩れてしまいます。
アイテムとの写真を魅力的に撮るためには、「キレイ目」「カジュアル」のように事前にテーマを決めてから撮影するのが良いでしょう。
【ハンガー】服をかけて撮影する際のポイント
ハンガーに服をかけて撮影する時の撮り方のポイントは以下の2つです。
- ハンガーは木目調やシンプルなデザインにする
- 服に立体感を作る
順番に解説していきます。
ハンガーは木目調やシンプルなデザインにする
2枚の写真を比べて、より高級感があるのはどちらでしょうか?
多くの人は、左よりも右の写真の方が洗練されたラグジュアリーな雰囲気に見えるでしょう。
2枚の写真の違いは、服をかけているハンガーです。左は白の細いハンガーなのに対して、右は木目調の太いハンガーを使って撮影しました。
ハンガーにかけて服を撮影する際は、木目調やシンプルなデザインのハンガーを使ったほうがよりラグジュアリーな印象になります。
反対に、貧相なハンガーを使用すると、服から高級感が失われてしまいます。
デザインや色彩が奇抜な服は、あえて細めのハンガーを使い、ハンガーの印象を弱めたほうが良い場合もあります。しかし、多くの場合は高級感のあるハンガーを使ったほうが服の魅力が引き立つでしょう。
服に立体感を作る
服に立体感を作るには、以下の2つのやり方があります。
- 立体的なハンガーを使用する
横にまっすぐなハンガーを使用するよりも立体的なハンガーを使用することで、服に立体感を作ることができます。
人間の体は2次元ではなく3次元なので、服を着るときと必ず服に膨らみができます。そのためハンガーにかけて撮影する際も膨らみを持たせた方が、より着用した際のイメージが湧きやすいのです。
- あえて服のボタンを開けて撮影する
服に立体感を作るには、あえてボタンを開けて撮影するのも効果的でしょう。服のボタンを開けることで、風になびいたり動いたりしたときの様子をイメージすることができます。また、服の袖をまくって撮影するのもおすすめです。
以上の2点を押さえることで、ハンガーに服をかけて撮影する際に、立体感を表現することができます。
【具体例】アパレル企業の投稿から見る、正しい服の撮り方
この項目では、ユニクロのホームページに載っているプロの撮影写真を参考に、今まで紹介してきた基本のコツをおさらいします。
UNIQLO(ユニクロ)から見る、正しい服の撮り方
ユニクロは、言わずと知れた日本の大手アパレルブランドで、幅広い年齢の方から支持されています。
最近では、9年ぶりにジル・サンダーとコラボした+Jやクリストフ・ルメールがディレクターを務めるユニクロUなどのコレクションが非常に人気です。また、環境活動にも積極的で、サスティナブルデザインの服の販売にも取り組んでいます。日本のみならず世界で愛されるアパレルブランドです。
ここでは、そんなユニクロのシャツに注目して見ていきます。
こちらの商品写真では、初めに紹介した『【基本】服の撮影で押さえるべき4つのコツ』を全て押さえています。
順番に見ていきましょう。
- 明るい場所で撮影する
撮影用のスタジオで撮影しているため、服に余計な影などが映りこんでおらず、服の良さがしっかりと伝わってきます。
- 背景の色は白かナチュラル系を選ぶ
背景の色をナチュラルなグレーにして撮影されているため、自然と服に意識が向きます。
- 服の生地感が伝わるように撮る
服の生地感が伝わるよう、服にシワを作って撮影されています。また、袖をゆるくカーブして撮影することにより、膨らみを持たせています。さらに、袖や襟など服の一部分をクローズアップした画像を載せることで、服の生地感が購入者に伝わりやすくなっています。
- 撮り方にバリエーションを出す
こちらの商品では、服をハンガーにかけて撮影した画像はありませんが、その代わりにモデルによる着用画像を撮影してあります。平置きと着用画像で撮り方のバリエーションを出している点もしっかりと基本を押さえています。
このように、プロが撮影した画像でも基本のコツをしっかりと押さえていることが分かります。
【工夫】服をさらに魅力的に見せるには
ここからは、服をさらに魅力的に見せるためのポイントをご紹介します。ひと手間の工夫が必要になってきますが、「商品画像にさらに磨きをかけたい」という方はお試しください。
服をさらに魅力的に見せるためのポイントは以下の2点です。
- 着用画像を撮る
- 商品を編集する
順番に解説します。
着用画像を撮る
購入者が最も気になるのは、実際に服を着用した時の見え方やサイズ感。これを伝えるために一番効果的なのは、着用画像を撮影することです。
特にアウターなどの、金額が高価で主役になるアイテムは着用画像を撮影するのがおすすめです。
個人の場合、全ての商品の着用画像を撮影するのは難しいかもしれませんが、メインのアイテムだけでも着用画像を用意できるとグッとイメージが湧きやすくなります。
商品画像を編集する
2つ目の工夫は、撮影した服の画像を編集することです。
「小物と一緒に撮影する」で紹介した画像も実は編集でよりきれいに見せていました。
左が編集前の画像、右が編集後の画像です。
左の編集前の画像は日の光が強すぎたため、革靴の質感が分かりにくく、また左上に余計な影も入ってしまっています。
これを編集して、きれいに仕上げたのが右の画像です。明るさやコントラストを調整することで、服の素材感や立体感が伝わる画像になっていますね。
今回はスマホの編集アプリ「VSOC」を使用しました。簡単なツールでも、これだけの編集ができてしまいます。また、本格的に画像編集を行いたい方は、PCソフトのPhotoshopなどを使用するのもおすすめです。
【まとめ】個人でも撮影の基本は学べる
ここまでの紹介を振り返ると、アパレル撮影の基本は以下の4点です。
- 明るい場所で撮影する
- 背景の色は白かナチュラル系を選ぶ
- 服の生地感が伝わるように撮る
- 撮り方にバリエーションを出す
今回紹介した撮影のコツは、プロのカメラマンに使われている手法ですが、個人でも十分に実践することが可能です。これらのコツを意識して服を撮影することで、服の魅力を何倍も購入者に伝えやすくなるため、ぜひ試してみてください。
撮影した服の画像を楽天市場やYahoo!など様々なECモールへ出品し、その後の管理まで行う作業は非常に大変です。当社が提供している『アパレル管理自動くん』は、販売・在庫管理を楽にする自動化ツールとして、多くのブランド様、企業様からご支持をいただいています。
機能や特徴の詳細については、下のボタンからご覧いただくことが可能です。資料請求も無料で行っていただけるため、ぜひ公式ホームページをチェックしてみてください。
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