近年、世界中で急速な進化と市場の拡大を見せているVR(バーチャルリアリティ)。
そんなバーチャルの世界は今やファッション業界にも及んでおり、既に他人事とは言えなくなってきています。
ファッションの新たな楽しみ方を提案する、テクノロジーを駆使した最新技術の数々を見ていきましょう。
バーチャルファッションとは

出典:swings
バーチャルとファッションの融合には、多様な可能性が秘められています。
現在、人手や資源・場所など様々なコストを掛けて生産を行っているファッション業界ですが、バーチャルファッションにはテクノロジーの活用による、生産プロセスへの革命が期待されているのです。
例えば、予め人の体のラインを3Dでスキャンし、バーチャル上で試着と服の製作を行う手法は、製作に掛かる無駄な手間を大幅にカットすることができます。
こういったコストの削減による生産者・消費者へのメリットは計り知れません。
バーチャルファッションで注目を集めたインスタグラマー

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SNS投稿のために、実在しないバーチャルファッションを購入するインフルエンサーの存在をご存知でしょうか。
バーチャルファッションは購入後、3Dデザイナーが購入者のサイズに合わせた洋服を作り、更にSNS上の写真では違和感なく自然な映りになるよう自動調整してくれるという革新的な仕組み。
ロシアのインスタグラマー、Daria Simonovaさんはこれらのデジタルコレクションを身に纏い、多数のいいねを獲得しました。
安価で環境に優しく、デザイン性の高いデジタルコレクションの取り組みに共感しているそう。
フォロワー数は現在5万8千人超と、新時代のインフルエンサーとして大活躍しています。
3Dキャラクターからファッションを提案

出典:MoguLive
自身で自由に作り上げたアバターに向けて、ファッションを提案するプロジェクト「VRoid WEAR」。
アバターに洋服を始めとしたアイテムを着せ替えて写真撮影をしたり、連携しているVR/ARサービスにて着せ替え後のアバターを使用することも可能です。
既に時代はただのアバター作りには留まらず、創作や自己表現の場としてバーチャルファッションが活用されています。
リアルなファッション業界がこれまで作り上げてきたデザイン性を活かした、新たな市場が発展していくことでしょう。
人気Vtuberを起用したファッションショー「FAVRIC」

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2019年9月、幕張メッセにてバーチャルファッションをテーマにしたファッションショーイベント「FAVRIC」が開催されました。
人気のVTuber達が、バーチャルブランドの洋服やCG業界デザイナーが作り上げたオリジナル衣装を纏いランウェイに登場。
重力にとらわれない浮遊アイテムや、開くと雨が降ってくる傘など、バーチャル世界だからこそ楽しめる独創的なアイデアの数々に、会場は大盛り上がりでした。
まとめ
ファッションは既にリアル世界だけのものではなくなってきており、今後は革新的なテクノロジーを通した、更なるバーチャル世界への進出が期待されています。
実体を必要としないバーチャルファッションは、近年注目されているサステナブルな取り組みとも親和性が高く、私たちの日常に徐々に溶け込んでいくであろうと予測できます。
バーチャルファッション界が遂げる進化の歩みから、目が離せませんね。