今年度(2019年)より「働き方改革関連法」の施行がスタートし、各企業でさまざまな改革・見直しが進められました。
「働き方改革」が遅れているといわれるアパレル業界においても、時代の潮流を捉えた先進的な取り組みを進める企業が存在しています。
その具体的内容は、どのようなものなのでしょうか。
今回はイオングループのカジュアル衣料専門店、株式会社コックスの取り組みに注目してみましょう。
株式会社コックスとは?
株式会社コックスは、カジュアル衣料の企画・製造・販売を手掛けるイオングループの一員です。
「ikka」を筆頭に計9つのブランドを保有し、メンズ・ウィメンズ・キッズ衣料およびファッション雑貨をトータルに展開しています。
イオンモールをはじめとする全国各地のショッピングモール内に計238店舗(2019年2月28日現在)を構え、従業員数は1,800名超。
逆風にさらされる昨今のアパレル業界にあっても、国内小売業トップに君臨するイオングループのリソースを生かして順調に成長を続けており、SPA業態における成功例のひとつといえるでしょう。
コックスが取り入れた2つの働き方改革
「えるぼし」認定を取得
株式会社コックスは、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」で定められた一定の基準を満たす優良企業に与えられる「えるぼし」認定を、2019年4月に取得しました。
「えるぼし」認定とは、女性が活躍できる職場づくりを推進する企業を、「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5つの項目で評価・認定する制度で、厚生労働省が所轄しています。
株式会社コックスでは、キャリアデザイン研修の実施や女性の管理職比率向上など、女性スタッフが活躍できる仕組みづくりに着手しており、5つの項目のうち4つで基準を満たしました。
今後も全5項目の基準をクリアした企業にのみ与えられる最高位の取得を目指して、さらなる改革を進めていくようです。
アパレル小売業には、女性スタッフの活躍が不可欠。女性が働きやすい職場環境づくりはアパレル業界共通の課題です。
株式会社コックスの取り組みは女性スタッフのモチベーションを維持するとともに、新たな雇用の促進にもつながっており、見習うべき点の多い事例といえるのではないでしょうか。
「フリーアドレス制」の導入
東京都中央区日本橋にある株式会社コックスの本社オフィスでは、コミュニケーションの活性化と生産性の向上を目指して、2019年7月より「フリーアドレス制」を導入しました。
「フリーアドレス制」とは、各スタッフが固定のデスクを持たずに、働く場所を自由に選択するオフィススタイルです。
部門間の見えない壁が取り除かれることによりコミュニケーションの幅が広がり、部門や職位の枠を超えたインタラクティブなセッションの中から、既成概念に捉われない新たな価値の創出が期待できます。
株式会社コックスでは、これまでにツーフロアにまたがっていた本社機能がワンフロアに集約されたことにより業務が円滑に進むようになり、生産性が飛躍的に向上しました。
また会議時間の短縮や、省スペース化、ペーパーレス化など、さまざまなメリットがもたらされているようです。
まとめ
今や「働き方改革」は、企業が果すべき社会的責任です。
今回ご紹介した株式会社コックス以外にも、大手アパレル企業を中心に「働き方改革」への取り組みは着実に前進しつつあります。
これらの事例を参考に、より良い職場環境づくりに努めていきましょう。