まとめ

アパレル業界で役立つ資格7選~スキル・キャリアアップを目指して~

2016/9/6

アパアパレル業界では、資格がなくても働くことが出来ます。本人のやる気次第で働き口を見つけられる一方、就職後は「何を勉強して身に付けるか」という選択が、アパレル業界で活躍していく・キャリアアップしていくためには大切です。

そこでアパレル業界の資格について以下のことが気になるでしょう。

  • どんな資格があるのか
  • それぞれどんな人に向いているのか
  • どんなキャリアアップが目指せるのか

この記事ではアパレル業界で取得できる代表的な資格について、職種とともにご紹介します。

色彩検定

出典: 色彩検定

色彩検定とは、文部科学省後援の「技能検定」で色彩に関する幅広い知識や技能を問う検定試験です。

こんな人にオススメ

  • ファッションセンスを上げたい
  • 敷居の高くない、気軽な試験を受けてみたい

色に関する基礎知識や体系を学ぶことが出来ます。アパレルに携わるすべての人に色彩感覚は不可欠です。特に、デザイナー、スタイリスト、販売員、VMD担当者の方にお勧めです。国内にも多数のカラー系の検定がある中で、実施規模の大きさや知名度は群を向いています。 ファッションにおいて色の組み合わせは大事です。色彩検定はもともと アパレル業界における店員さんたちの色彩スキル向上を目指してスタートしたもので、ファッション関係に強い代表的な試験です。

UC級
3級
2級
1級
レベル
色が見えるしくみ、ユニバーサルデザイン、色覚の多様性などの配色への注意点や改善方法を学ぶ。色に初めてさわる方。色の表し方の基礎知識や、色彩体系「PCCS」などについて学ぶ。日常生活や趣味に活かせるレベル。3級の内容に加え、カラーコーディネートの基礎について学ぶ。実務に応用できるレベル。2級、3級の内容に加え、景観色彩などを学ぶ。色彩実務担当者として色彩設計に携わることができるレベル。
試験日
年2回 (6月、11月)年1回
(2次試験は12月)
受験料
6,000円 (税込)7,000円 (税込)10,000円 (税込)15,000円 (税込)
※1次免除者も同じ
受験方法
マークシート方式(一部記述式)マークシート方式マークシート方式(一部記述式)1次:マークシート方式(一部記述式)
2次:記述方式(一部実技)
合格ライン
満点の70%前後。問題の難易度により多少変動。
試験会場
北海道から沖縄まで全国各地1次試験: 北海道から沖縄まで全国各地
2次試験: 札幌市・仙台市・東京23区・名古屋市・大阪市・福岡市の6エリア

実施機関: 色彩検定協会

現在では、ファッション以外の様々なジャンルの色彩を学ぶことのできる試験となっています。 この試験は、ファッションに限らずさまざまなところで役立てることが出来る点も魅力です。チラシやお店内の配色、私生活でのお部屋のコーディネートなど。シチュエーションやそのときの職種に限らず活用できます。

ファッション販売能力検定

ファッション販売能力検定とは、ファッション商品を販売する店舗での管理・運営、人材育成やマネジメントを学ぶことが出来る資格です。

こんな人にオススメ

  • 将来的に店舗の運営者を目指したい
  • 管理者、経営者になりたい

現場での店舗経営における、ファッションの商品知識や販売接客能力、販売基本知識を向上させることを目的とした検定です。現場で働く販売員をはじめ、営業、マーチャンダイザー、管理職の方向けです。特徴として、若い管理・責任者の育成という目的から、「対面接客販売であること」、「経営者や本部の支援システムがある店舗であること」を前提としています。そのため取得後に、すぐに活用することが出来ます。

3級
2級
1級
レベル
ファッション商品販売の仕事に携わる場合に必要とされる、基本的なファッション商品知識、販売知識、接客技術がある。専門教育を1年程度学んだレベル。専門的な販売知識や接客技術を習得し、販売実務である程度、 実績と経験を積み、臨機応変な接客対応と販売、事務処理などの対応を行う。専門教育を2年程度学んだレベル。さまざまな業態、企業形態がある中での、販売の現場を支え、店舗の管理・運営を行う。専門教育を2年以上履修し、卒業後 ショップでの実務を3年程度経験したレベル。
試験日
年2回 7月、12月年1回 2月
受験料
6,000円 (税込)6,500円 (税込)13,000円 (税込)

科目受験(1科目につき)4,500円 (税込)

受験方法
マークシート方式筆記試験(記述式+選択式)
合格ライン
各科目とも全試験配点の70%以上の得点を目安各科目とも60%の得点を目安
3科目の合格をもって1級合格
試験会場
本協会が設定する試験会場、または教育機関(専門学校・大学等)東京会場のみ

実施機関: 日本ファッション教育振興協会

2級と3級は現場の販売員、1級は管理職向きです。級が上がっていくごとに、実務だけでない接客業としてのコミュニケーション能力やクレーム対応・処理、顧客心理を深く学べます。

ファッションビジネス能力検定試験

ファッションビジネス能力検定試験とは、ファッション分野における基本的なプロセスである、マーケティングや生産、物流やマネジメント知識を学ぶことのできる検定です。

こんな人にオススメ

  • アパレル業界全体のビジネスモデルを勉強したい
  • 管理職でキャリアを形成したい

ファッション業界についての専門的知識を学ぶことが出来ます。営業、マーチャンダイザーの方におすすめです。一般的なビジネスやマーケティングの知識だけでなく、アパレル業界に関しての専門知識が不可欠となり、 専門性と難易度の高い資格のため、転職の際にも有利になります。デザイナーや販売員よりも、管理職や社内でのステップアップにつなげたい方向きです。

3級
2級
1級
レベル
企画や生産から流通にわたるファッションビジネスの業務を遂行する際に必要なファッションとビジネスの基本的な知識と技術を学ぶ。ファッションビジネスに関する専門基礎教育を1年程度学んだレベル。企画や生産から流通にわたるファッションビジネスの業務を遂行する際に必要なファッションとビジネスの専門的な知識と技術を学ぶ。ファッションビジネスに関する専門基礎教育を2年程度学んだレベル。教育機関などでファッションビジネスに関する専門教育
を2年以上履修し、卒業後アパレル・リテール企業で実
務経験を5~6年程度積んだレベル。
試験日
年2回 6月、11月年1回 1月
受験料
6,000円 (税込)6,500円 (税込)13,000円 (税込)
受験方法
マークシート方式

マークシート方式
記述方式
合格ライン
「ファッションビジネス知識」は全試験配点の60%の得点を、「ファッション造形知識」は70%の得点を目安
(2科目合格した場合は「級合格」、1科目合格した場合は「科目合格」)
各科目とも60%の得点を目安
5科目の合格をもって1級合格
試験会場
全国各地東京会場のみ

実施機関: 日本ファッション教育振興協会

消費者行動やマーケティングの基礎といったビジネスだけの知識だけでなく、ファッションの商品知識やデザインの文化といったアパレルという商品自体の勉強にもなります。

販売士

販売士検定は、日本商工会議所が運営している資格で販売に必要な商品知識・販売技術から、商品の開発分野である仕入や在庫管理、またマーケティングまで幅広く販売に関わる能力を問われる資格です。

こんな人にオススメ

  • 販売員として実力を付けたい
  • 店舗経営につなげたマーケティングを学びたい

流通・小売分野での唯一の公的資格です。アパレル業界に限らず、小売業全般にかかわる人向けで、店舗の販売員や経営者の方におすすめです。接客マナーから、仕入れや在庫管理をはじめとした店舗経営知識や商品に関する専門知識、マーケティングも学ぶことできます。店舗運営を重視した資格となっています。5年ごとに契約を更新しなくてはならないため、その都度講習会などで業界の新しい知識を学ぶことできます。

3級
2級
1級
レベル
販売担当として、必要な知識・技術を学ぶ。マーケティングの基本的な考え方を理解し、流通・小売業で必要な基礎知識・技能を理解しているレベル。売促進の企画・実行をリードし、店舗、売り場をマネジメントする。マーケティング、マーチャンダイジングをはじめとする小売業・流通業の専門的な知識をもつレベル。経営に関する極めて高度な知識を学ぶ。商品計画からマーケティング、経営計画の立案や財務予測等の経営管理について適切な判断を行うレベル。
試験日
年2回 7月、2月年1回 2月
受験料
4,200円 (税込)5,770円 (税込)7,850円 (税込)
受験方法
マークシート方式

マークシート方式
記述方式
合格ライン
筆記試験の得点が平均70点以上で、1科目ごとの得点が50点以上
試験会場
全国 (商工会議所、ネット試験施行機関)

実施機関: 日本商工会議所

まず3級を受験して、販売員としての知識を学び、将来を見据えて2級、1級と挙げていくことで、店舗の現場スタッフから店舗経営者、そして管理職へとキャリアアップしていく際に有効的な資格です。

商品装飾展示技能検定

商品装飾展示技能検定とは、厚生労働省の技能検定の一種で、ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)の考え方をもとに、店舗や企業にて常に柔軟で効果的な売り場づくりと商品プレゼンテーションを学ぶことが出来る資格です。

VMDの概要、考え方については以下の記事でも解説しています。

こんな人にオススメ

  • 国家資格が欲しい
  • マーチャンダイザーになりたい

商品装飾展示とは、現場でお客さんに的確に資格伝達するための「見せ方」のことです。マーチャンダイザーや商品開発の方にお勧めです。ファッション業界だけでなく、商品を扱う業界であればどこでも活用することが可能です。商品の効果的な見せ方、マーチャンダイズプレゼンテーションのデザインなどの技能・知識に合わせて商業施設、ライフスタイル、什器・器具、照明、色彩、材料、関係法規、安全衛生などに関する知識を含まれています。

3級
2級
1級
レベル
商品特性に基づくさまざまなプレゼンテーション手法)に関する基礎的な技能・知識のレベル。商品プレゼンテーションのデザインを含みますが、イメージスケッチ(一点透視図)などの作成が含まれない中級技能者のレベル。ビジュアルプレゼンテーションのデザイン、イメージスケッチ(一点透視図)などの作成が含まれた高度技能者のレベル。
試験日
年1回 7月~8月
(1,2級は同日 3級は別日程)
受験料
()は学割値段
21,000円
(12,000円)
21,000円
(12,000円)
21,000円
全年齢統一
受験方法
学科試験: ○×式
実技試験:  プレゼンテーショ
学科試験:  ○×式と多肢択一法
実技試験:  プレゼンテーション
合格ライン
記載なし
試験会場
全国
職業能力開発協会( http://www.javma.com/skill-examination/kyoukai_list.html )

実施機関: 日本ビジュアルマーチャンダイジング協会

店舗や企業におけるVMD担当として、専門的な地位を得ることが出来ます。他の資格と違い、誰でも受けられるわけではなく、受験資格が必要となっています。また、飛び級をすることも可能ですが、飛び級をする場合と一個ずつ資格を取る場合では受験資格の基準が違うため、受験の際には確認が必要です。

パターンメーキング技術検定

パターンメーキング技術検定とは、パタンナーになるためのデザイン画を立体化するパターン作成の知識と技術の認定資格検定です。

こんな人にオススメ

  • パタンナーになりたい
  • 服を構造から深く理解したい

まず、パターンメーキングとは、デザイナーのデッサンを立体的にするため型紙におこす作業のことを指します。アパレル業界の専門職であるパタンナー希望の学生や、従事している方のキャリアアップのための専門的な試験です。パタンナーになるには資格が必須ではありませんが、「実務経験が少ない」などアピール材料を増やしたい人には受験がおすすめです。

3級
2級
1級
レベル
ファッション造形知識・技術とパターンメーキングに関する基礎知識・技術を習得し、パターンメーカーとしての基礎能力を有するレベル。ファッション造形知識・技術と工業用パターンメーキングに関する専門的な知識・技術、グレーディング技術を習得し、ファッション企業のパターンメーカーとして応用能力を活かし仕事ができるレベル。ファッション(服飾)専門学校で 4 年以上知識・技
術を習得し、実務経験を5~6年程度積み、ファッショ
ン造形とパターンメーキング、グレーディングに関
する高度な知識・技術を持ち、プロのパターンメー
カーとして指導的な能力を発揮できるレベル。
試験日
年1回 12月年1回 7月~9月年2回 8月、11月
(各会場ごとに年1回ずつ)
受験料
12, 500 円(税込)13, 500 円(税込)18,000円 (税込)
受験方法
 筆記試験: 理論 マークシート方式製図 縮尺および実寸実技
(製図は 2 級のみ)
実技試験: フラットパターンメーキングまたはドレーピング実技
実技試験
合格ライン
筆記試験・実技試験ともに、60%の得点を目安
(筆記試験・実技試験の両方に合格して「級合格」、筆記試験・実技試験どちらかのみ合格した場合は「科目合格」)
記載なし
試験会場
全国 25か所7か所 (北海道、宮城県、東京都、愛知県、
大阪府、広島県、福岡県)
東京都、大阪府

実施機関: 日本ファッション教育振興協会

パタンナー以外でも、服の構造を理解し、服の質の見分ける技術を向上したい人にはお勧めです。どなたでも受験をすることが可能ですが、実技が必須のためパタンナーでない方が目指すのには対策時間をしっかりと取る必要があります。

繊維製品品質管理士(TES)試験


繊維製品品質管理士(TES)試験とは、繊維製品の品質管理の業務に必要とされる基礎知識と応用能力を認定する資格です。

こんな人にオススメ

  • 品質管理を学びたい
  • 営業・品質部門で活躍したい

品質管理者の方向けです。衣料品などの企画、設計及び製造に関する知識の他、繊維製品の品質、流通、消費者間で起こりうる問題に対しての知識の取得することが出来ます。商品企画から販売に至るまでの段階で、品質面の安全を保障するためにこの資格が役に立ちます。販売後も消費者との問題がないように品質を保つために製造・販売を請います。繊維に関する一般的な知識から製造と品質、消費者問題に関する知識を学ぶことが出来ます。

レベル
消費者に供給される繊維製品の品質・性能の向上を図り、繊維製品の品質について学ぶ。消費者からクレームが出ないように、それらの製品の製造や販売を行う企業のなかで活躍するスペシャリストを目指す。
試験日
年1回 7月
受験料
初受験:  14,300円(税込)
継続受験: 11,000円 (税込)
受験方法
短答式 (3科目)
記述式 (2科目)
合格ライン
2科目とも60点以上
試験会場
6都市 (東京、京都、名古屋、福井、倉敷、福岡)

実施機関: 日本衣料管理協会

資格を取ることの強み

資格を持つということは、知識の証明となります。転職、昇進を目指す際に、自分がその企業でどのような役割を担いたいのか、その企業がどういう人材を欲しがっているのかを見極める材料の一つになります。また資格を取得することで、今の自分の立ち位置をより強固なものにできたり、新しい部門を任されたり、という道を目指すこともできます。

活躍の場を増やしていくことで、 更なるステップアップに繋がるでしょう。今回ご紹介した資格の多くには、受験資格がなく飛び級も可能です。下の級から着実に取得し、基礎を固めることで応用の幅を広げましょう。

まずは気になる資格やあなたの現在の職種に関係の深い試験から挑戦してみましょう!

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