トレンドの移り変わりが激しいファッション業界。売れ残りによる在庫過多と常に隣り合わせの業界でもあります。
ファッション関連アイテムの廃棄量は、年間100万トン・33億着ともいわれており、環境保全・省資源の観点からも、在庫廃棄問題は今やファッション業界全体の重要な課題となっています。
その一方で、この問題に一石を投じる新たな取り組みが続々と誕生していることをご存じでしょうか?今回はアパレル業界の在庫廃棄問題に挑む、さまざまな試みに注目してみました。
目次
【Rename】服に関わる人たちがより豊かになれる、新しいアパレル再販の仕組み
「Rename」は、株式会社FINEが手掛ける新しいアパレル再販の仕組みです。メーカーから仕入れた在庫のブランドタグ・洗濯表示タグを付け替えることにより、不良在庫に再び命を吹き込み、LOCONDO.jpなどさまざまな販売チャネルを通じて再販をおこなっています。
ブランドの価値やイメージを毀損することなく、在庫を効率よく処分することができます。
同時に、消費者にとっても高品質なファッションアイテムを安価で手に入れられるというメリットがあり、メーカーとユーザー双方に利益をもたらす新しいビジネスのカタチとして注目されています。
【SMASELL】アパレル在庫の企業間マッチングプラットフォーム
「SMASELL」は、在庫処分に特化したBtoBのマッチングサービスです。在庫を売りたいメーカー側と、商品を仕入れたい小売店バイヤーの、出会いの場として機能しています。
法人・個人事業主を問わず無料で登録が可能なうえ、インターネット上での決済処理システムも実装しており、フリマ感覚で利用できる手軽さが広く支持を集めています。
https://www.smasell.jp/
【shoichi】眠れる在庫が再び輝きはじめる
「眠れる在庫に再び輝くステージを与えます!」という理念のもと、対法人・企業に特化して在庫処分を代行する「shoichi」。ファッションアイテムのみならず、電化製品・生活雑貨・食品など、さまざまな商品を幅広くカバーしています。
販路は自社小売店をはじめ、パートナー契約を結ぶ大手オンラインストアなど、多岐にわたるルートを確保しています。またブランドイメージの毀損を防ぐ手段として、ネームタグの付け替えや海外の実店舗のみでの販売といったサービスも開始しており、それぞれのニーズに合わせた提案力も大きな強みとなっています。
日本最大級のファッションレンタルサービスを運営する株式会社エアークローゼットが、現在ローンチに向けて準備を進めている新プロジェクト「sahareCloset」。着なくなった洋服をユーザーから回収し、レンタル品として再利用する試みです。
レンタルサービスで培った、リペア・クリーニングといった独自の検品システムを活用するとともに、再利用できない洋服はバイオエタノール燃料へリサイクルするなど、洋服を廃棄することなく最後まで活用する仕組みづくりを目指しています。
https://www.air-closet.com/share-closet/
【古着deワクチン】断捨離&社会貢献で、お部屋と心がスッキリ!
「古着deワクチン」は、不要な洋服を箱に詰めて送るだけで、世界中の子どもたちにワクチンを届けることができるという循環型のサービスです。全国各地から送られてきたさまざまなファッションアイテムを途上国で再販売し、利益の一部をポリオワクチンとして社会に還元しています。
捨てることへの罪悪感を解消すると同時に、手軽に社会貢献ができる取り組みとして、徐々に利用者の輪が広がっています。
https://furugidevaccine.etsl.jp/
まとめ
バーバリーの在庫廃棄問題がインターネット上で大きな話題になったのは、記憶に新しい所です。
これを教訓とし、少しでもその削減に貢献できる人が増えてほしいものですね。