まとめ

BPOとは?導入のメリットやデメリットも解説

2020/7/22

ビジネスの手法でよく用いられるBPO。

「BPOとはどういうもの?」

「BPOにはどんなメリットやデメリットがあるのか?」

BPOという言葉を聞いたことがある方なら、このような疑問をお持ちではないでしょうか。この記事ではBPOの定義、事例、導入のメリットやデメリットなどについて解説します。

詳しく解説しますので、BPOについて知りたい方や導入を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

BPOとは?

BPOとはBusiness Process Outsourcingの略で、企業の業務プロセスの一部を、専門業者に外部委託するビジネス手法です。

通常のアウトソーシングの違いや、BPOが提供する業務の種類はどのようなものなのでしょうか。

BPOとアウトソーシングの違い

BPOはアウトソーシングの一種ではありますが、通常のアウトソーシングと異なる点があります。

通常のアウトソーシングは、企業に人手が足りない時に業務の一部を委託するという意味合いが強いです。

それに対してBPOは人手不足の解消に留まらず、専門的な業務を外部に委託し、業務の効率化を図るという意味合いがあります。

したがってBPOは、戦略的に用いられることが多いビジネスの手法なのです。

BPOが提供する業務の種類

BPOが担当する業務は、依頼する企業の直接の利益になっているコア業務ではなく、コア業務をサポートするノンコア業務です。

ノンコア業務の例としては、コールセンター、SI、コンサル、人材派遣、経理など、多岐に渡ります。

BPOの事例

BPOが具体的にどのようなものなのかを理解するためにも、BPOの導入事例を見ていきましょう。

経理業務の代行

A社は今まで経理業務を自社で行っていたが、コア業務に専念するために小口精算業務、伝票記帳などの経理業務をBPOで代行してもらうことに。

その結果コア業務に回せる従業員が増加した。

スタッフ教育の代行

B社はスタッフの研修に時間やクオリティの限界を感じ、スタッフ教育をBPOで委託することに。

BPOではB社に最適な研修内容が提案され、新人スタッフも短期間で即戦力に。

BPOを導入するメリット

BPOを導入することには、主に以下の4つのメリットがあります。

  1. 人材不足の解消
  2. 業務品質の向上
  3. 業務コストの削減
  4. 競争力の向上

それぞれのメリットについて解説します。

人材不足の解消

人材不足ゆえに業務を効率的に進められないのは、企業が抱えがちな悩みです。しかしBPOを導入することによって、人材不足による問題を解消できます。

外部の専門企業にノンコア業務を委託すれば、社員登用などを行わなくても業務を進められます。

社員の採用や育成などのコストをかけたくないのであれば、人材不足を解消するためにBPOを導入することはおすすめです。

業務品質の向上

BPOで委託する業務は専門企業が実施してくれるので、業務品質の向上が期待可能です。

例えばお問い合わせ対応業務をコールセンター会社に委託する場合、コールセンター会社にはお客様に対応するためのノウハウやスキルが蓄積されているので、お問い合わせ業務の質の向上が見込めます。

また業務を外部企業に委託すれば、自社の社員が抱える業務の量が減ります。その分だけ社員は自分自身の仕事に専念しやすくなるので、社員の業務品質も向上します。

BPOの導入は委託した業務にはもちろん、社員が抱える業務品質に対しても効果的です。

業務コストの削減

業務コストの削減ができるのも、BPOを導入するメリットの一つです。逆にもしBPOを導入せずに、特定の業務を自社内で完結しようとする場合、業務上で様々な支障が出る可能性もあります。

例えば、社員がその業務に特化したスキルやノウハウを持ち合わせていない場合、採用や育成などに時間や費用がかかってしまいます。採用や育成に手間がかかると、その業務を円滑に進められるまでの期間も長くなってしまいます。

また元々の社員が少ない場合だと、社員一人当たりの業務量も増えるので、残業などが発生することも問題です。

しかしBPOを導入すれば、余計な時間や費用、残業を減らすことができます。もちろん委託するにも費用はかかりますが、BPOの導入によって、費用以外の面を効率化も期待できます。

競争力の向上

他の企業に対する競争力を上げるためには、自社の売上や利益に直接関係あるコア業務に専念することが必要です。コア業務を疎かにして、ノンコア業務に苦慮してしまうと、売上や利益が伸び悩んで競争力が低下する恐れがあります。

BPOの導入は、そのような競争力の低下を防ぐ役割もあるのです。ノンコア業務を外部の企業に委託すれば、自社の社員をコア業務にコミットさせて、売上や利益を伸ばすように働きかけることもできます。

優先的な業務に時間や人的リソースを割り振るようにすれば、競合企業より高い収益を上げることに集中できるようになります。

 

BPOを導入するデメリット

BPOの導入は、業務を効率化させるなどのメリットがあるものの、デメリットも付随します。

BPOを導入することには、以下の4つのデメリットがあります。

  1. セキュリティ低下のリスク
  2. 委託によるコスト発生
  3. コミュニケーションの齟齬のリスク
  4. ノウハウの蓄積がなされない

それぞれのデメリットについて解説します。

セキュリティ低下のリスク

BPOは外部企業に業務を委託する手法なので、委託の方法や委託先の企業に問題があると、セキュリティが低下する恐れがあります。

典型的なのは情報の漏洩。委託の契約内容に業務の再委託の禁止などを定めていないと、委託先の企業の不備によって個人情報が漏洩してしまうこともあります。

BPOで業務委託をする場合は、個人情報の取り扱いについて契約で定めたり、セキュリティポリシーを提示してくれる企業にBPOを依頼したりすることが大切です。

委託によるコスト発生

当然ですが、BPOで業務を委託するとコストが発生します。委託にかかる料金もコストの一つですが、委託によるコストはそれだけではありません。

BPOでは、業務の委託の際に準備のコストがかかります。委託先の企業が業務を適切に遂行してもらうよう、契約内容の確認や引き継ぎなどに時間をかけます。

委託後の業務の進め方をシミュレーションするのはもちろん必須ですが、委託の準備にどのぐらいコストがかかるのかを検討するのも必要です。

BPOを導入する際は、BPOを導入することでどのぐらい業務を効率化できるかだけでなく、どのぐらいの期間でコストを回収できるかも検討しましょう。

コミュニケーションの齟齬のリスク

BPOを実施する際は、委託先の企業との連携が上手くとれているかがポイントになります。連携が不十分だと、コミュニケーションの齟齬が発生することもあります。

社内同士でのコミュニケーションであれば、仕事上のルールや必要な情報などの共有がしっかりされているはずなので、コミュニケーションでのすれ違いはあまり発生しないです。

しかし外部企業に業務を委託する場合は、仕事の進め方などの取り決めを確実に共有しておかないと、予定通りに委託した業務が進行していないなどの問題が発生します。

社内同士の従業員と連絡をするのと、外部企業と連絡をするのとでは、方法や注意点が異なります。委託先の企業に求めていることやルールなどは、明確にした上で確実に伝えましょう。

ノウハウの蓄積がなされない

BPOで業務を委託すると、委託した業務に関するノウハウの蓄積がなされません。今までは社内で行っていた業務を外部の企業に依頼するので、業務をどのように遂行しているのかが詳細に見えづらくなります。

現時点では外部企業に委託している業務も、将来的には社内で完結できるようになる可能性もあるはずです。委託している業務を今後は社内で行いたいと考えている場合、その業務のノウハウを把握するためにも、委託先の企業とコミュニケーションを図ることが必要です。

BPOを実施しながらも社内にノウハウを蓄積していきたいと考えている場合、委託先の企業との報告・連絡・相談、業務の進捗の共有などを徹底しましょう。

BPOの導入で注意すべき点

BPOには、委託のコストの発生、セキュリティの低下など、デメリットも存在します。

デメリットの弊害を受けないようにするためには、以下の3点に注意してBPOを導入しましょう。

  1. 問題点の明確化
  2. 複数の業者と比較
  3. セキュリティの品質の確認

それぞれの点について詳しく見ていきましょう。

問題点の明確化

BPOはあくまでビジネスの問題を解決する手法なので、BPOを導入する際は、自社の抱えている問題点を明確にしておくことが必要です。

問題点を明確にすることでBPOを依頼する企業を適切に選べますし、BPOの導入の効果も高められます。

複数の業者と比較

BPOを導入する際は、複数の業者と比較をした上で導入しましょう。

専門領域、実績、依頼金額、セキュリティの品質などは業者によって異なります。

複数の業者と比較しないでBPOを依頼すると、依頼後に予期せぬトラブルが発生したり、予想通りの効果を上げられなかったりする可能性があります。

複数の業者の特徴を把握した上で、自社に合っている業者にBPOを依頼しましょう。

セキュリティの品質確認

BPOの導入がきっかけで個人情報が漏洩するなどの事故を起こさないためにも、BPOを依頼する企業のセキュリティの品質を確認することは必須です。

ISMS認証やセキュリティポリシーがある企業であれば、セキュリティ面での信頼性は高めです。

BPOの契約をする前に、セキュリティ面の確認は必ず行っておきましょう。

まとめ

今回はBPOの定義や事例などについて解説しました。

BPOには業務を効率化できるというメリットがありますが、セキュリティに関する事故や、コミュニケーションの齟齬が発生することもあります。

BPOの導入を成功させるためには、複数の業者の比較やセキュリティの品質確認を行い、入念に準備をすることが必要です。

社内で抱えている問題を解決したい場合、BPOの導入も検討してみましょう。

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