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関連購買とは?例や分析のやり方、比較購買との違いを解説!

2020/9/8

ショッピング

消費者の購買パターンの1つに「関連購買」があります。この用語について多くの人が知りたいのは、主に下のような点でしょう。

この記事では上記の内容に加え、特に比べられることが多い比較購買との違いも解説していきます。これらの内容を読んでいただくことで、関連購買と合わせ、他の購買パターンについても深く理解していただけるでしょう。

関連購買とは?(意味・定義)

関連購買とは、主な商品と関連する商品を合わせて買う行動。「合わせ買い」とも呼ばれます。

弁当と合わせてペットボトルのお茶を買う、お酒と同時におつまみを買うなどが代表的な例です。一緒に買われる商品群のことは、関連購買品といいます。

消耗品については、関連する商品を「思い出して買う」ことが多く、想起購買との共通点も多いもの。想起購買と合わせて、POP・陳列によって促進しやすい購買パターンです。

購買行動の4パターン(関連・想起・条件・衝動)

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非計画の購買行動には、関連購買も含めて4つのパターンがあります。その4つを比較すると、関連購買とは何かがさらにわかりやすくなるでしょう。

関連購買購入した(あるいはする)商品との関連性から、必要を感じて買う
想起購買必要だが忘れていた商品を思い出して買う(思い出し購買)
条件購買必要性は低いが、割引などの条件によって買う
衝動購買理由はなく気分で思わず買う

以下、4つの購買行動について詳しく解説していきます。

参考[PDF] 非計画購買が店舗に売上げ・利益をもたらす | ドラッグストア研究会

関連購買

関連購買は、買った商品(もしくはこれから買う商品)との関連性から、必要を感じて買うという購入パターンです。たとえば、観葉植物との関連購買が起きやすい商品として、下のようなものがあります。

  • 液体肥料
  • 腐葉土
  • プランター
  • じょうろ
  • 霧吹き

特に買われやすいのは、消耗品である液体肥料と腐葉土です。なお、関連購買と他の3つの購買パターンの違いを表にすると、下のようになります。

種類違い商品の必要性
想起購買考えるのではなく、思い出す(やや反射的)高い
条件購買考えているが、やや受動的(操られている)低い
衝動購買考えていないない

もう一つ、しばしば違いが話題になる比較購買についてはこちらの段落で解説します。

想起購買

想起購買は「思い出し購買」とも呼ばれます。名前どおり、「必要だが忘れていた商品を思い出して買う」という購買パターンです。

たとえばスーパーやドラッグストアのレジ横には、電池などの消耗品が多く並んでいます。これは「そういえば、電池切れてたっけ」という思い出し購買につなげる狙いがあるわけです。

(電池が切れていなくても「切れる前に買っておこう」と思うパターンがあり、これもやはり想起購買です)

条件購買

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条件購買は「必要性は低いが、割引などの条件によって買う」というパターンです。典型的な例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 期間限定割引
  • タイムサービス
  • 閉店セール・開店セール

これらはいずれも「お得な条件である」ことを、わかりやすく示す必要があります。

  • 普段はいくらです
  • 今はいくらです
  • ○○%安くなりました
  • いつまでやっています

この4つの情報が、割引のPOPでは必ず入っています(少なくとも、本気で売る気があるPOPなら入っています)。

条件購買は4つの購買パターンの中で、POPによる訴求を特にしやすいものといえます(次の衝動購買は、POPによる影響は除外されるためです)。

衝動購買

いわゆる衝動買いで「理由はなく気分で買う」ものです。定義としては、POPの情報や従業員のアドバイスなどの影響を受けていないという点が重要といえます。

もしこれらの影響を受けたのであれば、衝動的に買った場合も「条件購買」となります。世間の感覚では「無駄な買い物=全部衝動買い」となることもあるでしょう。しかし、マーケティング用語では一般的に「販売者の影響を一切受けていない」購買となります。

関連購買と比較購買の違いは?

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関連購買と違いを比べられることが多いのは、比較購買です。両者の違いをまとめると、下のようになります。

それぞれ詳しく説明していきます。

比較購買とは、サービスや商品を比較した上で購入する行動

比較購買は、下のように定義されています。

商品の購入に際してメーカー間の比較をしたり、複数の販売店の価格やサービスを比較したりして、自分で納得したものを購入すること。
比較購買 | コトバンク

簡単にいうと、サービスや商品を比較して買うパターンといえます。

比較購買は「計画購買」、関連購買は「非計画購買」

比較購買と関連購買の違いは、計画性があるかという点が大きなものです。

  • 比較購買:計画的である
  • 関連購買:計画的でない(こともある)

たとえばテレビを買うとき、家電店に行って実物を比較して買うということはあります。しかし、まったく計画なしに「いきなりテレビを買う」という人は少ないでしょう(安価なものは別ですが)。

家族で使うようなテレビであれば、日頃からある程度「こういうテレビが欲しい」ということを話し合っているはずです。カタログなどを見たことがあれば、完全に計画購買といえます。

カタログなどを見たことがなくても「今日はテレビを買いに行こう」と考え、ある程度の希望条件や予算を決めて売り場に行ったのであれば、やはり比較購買にあたります。

関連購買は、計画があるケースとないケースが存在する

違いをわかりやすくするため「関連購買=非計画購買」としました。しかし、必ずしも非計画とは限りません。計画のある関連購買も存在します。

たとえば、パソコンを買いに行って、一緒にマウスを買ったというパターンは、計画しているケースが多いものです。「すでにマウスがあるのに、良さそうな物を新しく買った」という場合は別ですが、マウスがなかったなら計画していたはずです。このように、計画的な比較購買と関連購買が同時に起こるケースもあります。

関連購買は計画性があることもあれば、ないこともあります。しかし、計画性が高いのは断然比較購買の方です。

ディスプレイの工夫で売りやすいのは関連購買

ディスプレイの工夫によって売上を伸ばせるのは、関連購買の方です。計画性の高い比較購買の方は、顧客がすでに、

  • 買う商品を決めている
  • 商品は決めていなくても、条件は決めている

というパターンが多いものです。そのため、ディスプレイの「出る幕」が少ないのです。その点、関連購買は「お刺身の近くにわさびを陳列する」などのディスプレイや、「お刺身のわさびを忘れていませんか?」などのPOPによって、売上を伸ばせます。

(このPOPは想起購買とも重なりますが、関連のある商品をPRしている点で、関連購買を促すPOPでもあります)

なお、ディスプレイはマーケティング用語でVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)といいます。マーチャンダイジングについては、下の記事で詳しく解説しています。

関連購買の例は?10のパターンで説明

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関連購買について「具体的な例をまとめて見たい」という人は多いでしょう。身近なものでは下の10例のようなパターンが挙げられます。

それぞれの例について簡単に説明していきます。

スマホと液晶保護シール

スマホを買うと、液晶が割れないように保護シールを同時に買う人も多くいます。その他のスマホアクセサリも同様です。

家電製品と複数年サポート

家電製品で「高価なもの、壊れる可能性が高いもの」については、オプションで複数年のサポートをつけることが多いでしょう。このような「サービス」での関連購買もあります。

パソコンと周辺機器

パソコンを買えば、マウス・キーボードなどの周辺機器が必要です。すでに持っている、誰かにもらえるというのでなければ、これらも関連商品として買われます。

ボールと空気入れ

ボールを買えば、将来的に必ず空気入れが必要になります。自転車の空気入れを使う場合も、接続部分についてはボール用のものを買うのが一般的です(ボールの種類やメーカー、空気入れのタイプにもよります)。

ギターとギタースタンド

ギター

ギタースタンドは絶対にいるわけではありませんが、あると便利です。他のギターアクセサリでは、肩にかけるためのストラップやソフトケース、ハードケースなどもあります。

さらにいえば、エレキギターの下記のアイテムはすべて関連購買といえます(衝動買いをする人は少なく、計画的に買うことが多いものですが)。

  • プラグ(シールド)
  • アンプ
  • エフェクター
  • ペダル

エレキギターは楽器の中でも特にお金がかかるとされますが、それはこうした「関連購買の多さ」が理由の一つといえるでしょう(売る側からしたら、逆に一番売上を出しやすい楽器の一つといえます)。

防災グッズと備蓄用食料

携帯バッテリーや懐中電灯などの防災グッズと食料品は、普段ならジャンルがまったく違います。しかし、備蓄できる食料は防災との関連性が深いため、関連購買が起きます。

家具と滑り止めテープ

家具を買うとき、転倒を気にする人は多くいます。そのため、家具売り場に滑り止めテープを置いておくと、関連する「ついで買い」としてよく売れるものです。

コーヒー豆とコーヒーフィルター

コーヒーを豆で買った場合、それをミルで挽いて粉にします。そして、フィルターとドリップ(淹れるためのポット)を使ってコーヒーを淹れます。

ドリップはすでに持っていることが多いので、関連購買のチャンスは「最初だけ」になります。逆に継続してチャンスがあるのは「コーヒーフィルター」です(また、スーパーやコンビニでドリップを置くスペースはありません)。

このため、コーヒー豆が売られている場所では大抵、フィルターがセットで並べられています。

上まぶたの整形と眉下の整形

上まぶたの整形にもさまざまな施術がありますが、ここでは「たるんだ肉を切除する」という施術を例にします。この場合、目の上を切除すると、目はパッチリするものです。

しかし、大抵そのような患者さま(お客さま)は眉毛の下の肉も垂れていることが多いものです。そのため、このたるみも合わせて切除することで、よりパッチリした目になります。

美容整形自体はレアな例になりますが、整形の中ではこうした「定番の合わせ技」がしばしば見られます。これも関連購買の典型的な例といえるでしょう。

予防歯科検診とホワイトニング

美容整形と同じく医療系になりますが、近年は予防歯科の人気が高まっています。そして、予防歯科の検診を定期的に受けている人は、歯をきれいに見せたいという意識が高いものです。

そのため、大部分の予防歯科はホワイトニングを合わせて提供しています。ホワイトニングは見た目がよくなるだけでなく、歯の着色と初期虫歯の区別がつきにくい、紛らわしい状態を防げるという、虫歯予防に直結する部分もあります。

このため、定期検診の中でホワイトニングを勧める歯科医院は多く、同様に矯正も勧めるケースが多いものです。これも歯科分野での関連購買の例といえます。

関連購買分析とは?やり方の例

分析

関連購買分析とは顧客の関連購買を分析し、経営戦略につなげるものです。やり方について決まりはなく、どのように行ってもかまいません。下記の論文では、

  • 百貨店の自社発行クレジットカードを使った、
  • その百貨店の中での関連購買

を分析しています。

参考関連購買分析を利用した百貨店における顧客の購買行動に関する分析 | J-STAGE

論文に書かれている情報量は膨大ですが、わかりやすいのは下記の分析です。

  • 継続顧客と休止顧客で、
  • 共通する関連購買商品はどう違うか

たとえば「ブランド婦人服」のカテゴリでは、それぞれ下のようなカテゴリが買われていました(あくまでこの論文における調査時・調査対象の場合です)。

継続顧客チャージ、エンスウィート、シンプルライフ、BISTY
休止顧客ランファン、ラ・コレクション、ミッシェルクラン、ロートレアモン、ELLE

当然ながら、あくまで一例であるため「これらのブランドを買った人が必ず継続・休止する」という意味ではありません。ただ、店舗ごとのそういった傾向は、関連購買分析によって導き出せるということです。

(関連購買分析も含めて、データ分析を積極的に行う経営手法「データドリブン」については、下の記事で詳しく解説しています)

まとめ:関連購買のパターン分析には事業のデータ化が必要

アパレル店舗

関連購買のパターンを分析するには、まず事業自体をデータ化する必要があります。

  • 在庫や売上などのデータをすべてクラウドで管理する
  • データの入力も自動化できるよう、POSレジを導入する

主に上記の2点が必要になります。そして、アパレル店舗の運営であれば、アパレル事業に特化したクラウド、POSレジを導入するのがいいでしょう。

弊社が提供する『アパレル管理自動くん』は、アパレル事業に特化した高機能クラウドシステム。販売管理や在庫集計、データ分析などの作業を、ワンストップでスムーズに行うことができます。

さらに、アパレル特化型POSの『アパレル管理自動くんPOSレジ』と連携することで、日々の店舗運営の業務効率も大幅に改善可能です。関連購買も含めて、お客様のデータを的確に分析し、経営のプラスにしたいと考える経営者の方には、ぜひ一度、アパレル管理自動くんとアパレル管理自動くんPOSレジの機能をご確認いただけたらと思います。

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