在庫管理をする上で、特に重要なキーワードとなるSKU。このSKUについて調べるとき、多くの人が気になるのは下記のような内容でしょう。
この記事では上記の内容について、アパレル業界での例を多めに挙げながら説明していきます。特にアパレルでのSKUについて知りたい方に、役立てていただける内容になるでしょう。
目次
SKU(Stock Keeping Unit)とは?
SKU(ストック・キーピング・ユニット)の概要について、要点をまとめると下の表のようになります。
意味 | 受発注・在庫管理を行うときの、最小の管理単位 |
FKUとの違いは? | 実際に店頭に出すSKUがFKU |
多いとどうなる? | 品揃えが豊富になる/管理が煩雑になる |
少ないとどうなる? | 品揃えが少なくなる/管理が簡単になる |
小売における総SKU数の平均値 | コンビニは3,000、スーパーは1万~10万、百貨店は100万 |
それぞれ詳しく説明していきます。
意味:受発注・在庫管理を行うときの、最小の管理単位
東証マザーズ上場の物流企業・関通は、SKUを下記のように定義しています。
受発注や在庫管理を行う時の、『最小の管理単位』をいいます。
SKU(Stock Keeping Unit)とは | 関通
より具体例に解説しますと、「A」という品番を持つスニーカーが以下を持つとします。
・カラー:Withe / Black / Red(W/B/R)
・サイズ:27/28/29
実際の業務で受発注や棚卸などの業務を行う際は、商品品番「A」ではなく「A_W27」「A_W29」「A_B28」などの単位で商品を管理します。この品番より細かい番号をSKUと呼びます。
FKUとの違い
SKUとFKU(フェイス・キーピング・ユニット)の違いは、店頭に出しているか、いないかです。まとめると、下のようになります。
FKU | 店頭に出している商品の型数 |
SKU | 店頭に出していいないものも含む、すべての商品の型数 |
SKUの方が、FKUよりも大きな数字・意味であるということです。FKUについては、下の記事で詳しく解説しています。
小売における総SKU数の平均値
小売業のSKUの平均値は、主な業態でまとめると下記のようになります。
「コンビニで約3,000SKU」という数値を知っていると、SKUの規模のイメージをしやすくなるでしょう。
コンビニ | 約3,000SKU |
スーパー | 約1万SKU |
大型スーパー | 約10万SKU |
百貨店 | 約100万SKU |
参考小売主導型食品流通の進化とサプライチェーンの現段階 | J-Stage
アパレル企業でも展開店舗数や店舗形態(ブランドの路面店か、セレクトショップか)、展開してからの年月にもよりますが、少なくとも数万~数10万SKUがあるのが普通です。1つのアイテムが平均して16SKUあると考えると、総アイテム数が数100~数1000程ある計算になります。
アパレル業界におけるSKU管理の実例
アパレル業界の方であれば、SKUがアパレルでどのように使われているかという実例が特に気になるでしょう。
基本的な設定の仕方は、下のようになります。
それぞれ、実際にアパレル企業(チャンピオン)での実例も交えつつ、解説します。
それぞれのデザインや型に品番をつける
サイズ・カラーの前に、そもそも服のデザインや型があります。
Tシャツで例を挙げるならば、以下のようにさまざまなバリエーションがあります。
- 半袖・長袖
- タートルネック・Vネック
- 無地
- 模様が入っているデザイン
- キャラクターの絵が入ったデザイン
これらは「別の型・デザイン」で別の品番管理になるため、それぞれで複数のSKUが存在するわけです。
仮に3つの製品でそれぞれ16SKUを用意したら、総SKUは「16×3=48SKU」となります。
基本は「サイズ×カラー」の2軸で分類する
まず、基本の分類は「サイズ×カラー」の2軸です。図で示すと下のようになります。
上の例の場合、4色×4サイズで「16SKU」となります。
この「真ん中に星があるデザイン」の商品だけで、16SKUあるわけです。
カラー、サイズの他にも素材など複数の商品に共通する項目を管理することもありますが、多くの場合、先述した別のバリエーション(品番)として管理します。
番号をどう割り振るか
上の例の場合、たとえば赤・青・黄・緑を、それぞれ「R・B・Y・G」とします。そして、LLは「X」とすれば、色とサイズの組み合わせを、下記のようにアルファベット2文字で表現できます。
S | M | L | X | |
---|---|---|---|---|
R | SR | MR | LR | XR |
B | SB | MB | LB | XB |
Y | SY | MY | LY | XY |
G | SG | MG | LG | XG |
後はこれを、商品の型番につければいいわけです。たとえばチャンピオンにはT1011(ティー・テンイレブン)という有名な型番があります。この型番に上の分類を当てはめると、
- T1011-SR(Sサイズ・赤)
- T1011-MB(Mサイズ・青)
- T1011-LY(Lサイズ・黄)
というSKUを割り振れるわけです(※これはあくまで例であり、実際のT1011に存在する分類ではありません)。
商品品番・SKU番号の見方(チャンピオンの場合)
出典:チャンピオン
これは企業や店舗によってバラバラです。多くの企業では一定のルール・規則に従って番号が割り振られています。ここでは、チャンピオンのパーカーの商品品番「C3-S105」を細かく見ていきましょう。それぞれの記号が以下の内容を示しています。
(※あくまで品番を割り振るルールの一例であり、厳密に下記のように管理されているものではありません)
C | 性別分類コード(メンズ) |
3 | アイテムコード(スウェットパーカー) |
S105 | デザインコード(胸にロゴがあるデザイン) |
ほかの商品も比較し、各項目をより細かく見ていくと、番号の頭につく性別分類コードがが下のようにつけられています。
Cで始まる | メンズ |
CWで始まる | ウィメンズ |
CSで始まる | キッズ |
これは、実際の商品を見てみるとわかります。各ジャンルの例を示します。
メンズ | C3-J117 |
レディース | CW-K015 |
キッズ | CS6257 |
ここから先の分類は、非常にランダムです。たとえば「メンズパーカーはC3」などと分かれていたらわかりやすいですが、実際にはそうなっていません。下記のように、同じメンズパーカーでもC3~C8まで複数の分類があります。
ここまでが「商品品番」であり、この下にチャンピオンが自社で管理するSKU番号があります。
消費者には実店舗やECサイトでカラー・サイズの選択を行うので感知することはできませんが、実際にはカラー・サイズにより「C3-S105-012」「C3-S105-345」などのように詳細に分類されています。また、それぞれのSKUに固有のバーコードが振られていることも多いです。
SKU管理を導入すべき4つの理由(導入のメリット)
商品管理にSKUを導入すべき理由(メリット)は、主に下記の5つです。
それぞれのメリットについて説明していきます。
品揃えを増やしやすい
SKUなしでも品揃えを増やすことはできます。しかし、機械的な管理ができないため、管理が極めて難しくなります。品揃えを一定以上増やすのであれば、SKU管理が事実上必須となります。
在庫管理がしやすい
品揃えを増やす・増やさないに関わらず、一定の品数を超えているのであれば、SKUで管理する方が在庫管理をしやすくなります。
より具体的に言えば、在庫が少なくなった商品を自動的に検知し早めの発注をしやすくなる、在庫状況を把握していないことによる、余分な発注も少なくなるということです。数字の入力ミスはSKUでも起こりえますが、これも不自然な数字を入力したら、アラートが出るようにするなど、別途対策をとることはできます。
管理システムを選ぶ際も、SKU管理に対応した管理システム・POSレジを選ぶことがポイントになります。
SKUを導入して在庫管理がしにくくなるケースがあるとしたら、10種類程度の商品しか売らないなど、品数が明らかに少ない場合です。
発注が簡単になる
SKUで商品が管理されていれば、発注を機械的にしやすくなります。たとえば、アパレルで下記のような発注をするとします。
半袖Tシャツ・赤色・Lサイズ | 2点 |
ロングTシャツ・青色・Mサイズ | 3点 |
半袖ポロシャツ・白色・Sサイズ | 4点 |
このような発注表は、先方のスタッフさんが人力で確認するのが基本となります。一応、コンピュータで「文字列一致」でさばくことも、不可能ではありません。
しかし、上のように長く言葉で書いてしまうと、文字列が一致しないケースが多々生じます。たとえば半角と全角の違いなどです。
機械的な発注をするのであれば、上の3つの商品なら、下のようにSKUにした方がいいのです。HTRLなら「ハーフ・Tシャツ・レッド・L」という意味です。
HTRL | 2点 |
LTBM | 3点 |
HPWS | 4点 |
このようにデータ化することで、発注作業のシステム化をしやすくなります。
陳列がしやすい
SKUを全商品に割り振るには「全体像を把握している」必要があります。
- うちにはパーカーとTシャツとジーンズの3種類がある
- それぞれ、4サイズと10色を用意している
- だから、商品は3×4×10で、120ある
ということが、SKUを割り振った時点で整理できています。この整理が、そのまま売り場のレイアウトにもつながるのです。
- パーカーはここ、Tシャツはここ、ジーンズはここに配置する
- 10色はこの順番で並べる
- サイズは小さい順に重ねていく
というイメージが、番号を振った時点で自然にできます。SKUなしでも陳列自体はできますが、店舗の規模が大きくなるほど、一度単純化して客観視する必要があります。
この意味で、UNIQLOの整った商品陳列事例はSKU管理を体現した形といえるでしょう。詳しくはFKUの記事で事例として解説しています。
SKU管理が難しい3つの原因と解決策(導入のデメリット)
SKU管理が難しい原因(導入のデメリット)をまとめると、主に下の3点です。
それぞれ簡単に説明していきます。
SKU番号のつけ方を考える必要がある
SKUの番号は、店舗や企業で独自に考える必要があります。これ自体は商品の全体像が把握できていれば、それほど難しいものではありません。ただ、社内での意見の統一などに、多少の手間がかかります。
アパレル業界ではSKU番号を13桁のJANコードで管理することが多い
アパレル業界の場合、バーコードナンバーであるJANコードでの管理が多く用いられます。これは、タグ付けなどの業務が発生すること、カラー・サイズは常に共通したパターンのものが多く、それをわざわざ番号にすることが手間という理由があります。各SKUに番号が付いていれば問題ないため、これを商品のバーコードで代用する企業が多いのです。
JANコードとは、「どの事業者の、どの商品か」を表す、世界共通の商品識別番号です。標準は13桁で、下記の3つの情報を含んでいます。
- 9桁:GS1事業者コード(どこの企業か)
- 3桁:商品アイテムコード(どの商品か)
- 1桁:チェックデジット(間違い防止)
最後のチェックデジットは入力ミスに気づきやすくするものです。別の企業や別の製品の番号を入力してしまった場合も、その「間違い先」と自分が入力するつもりだった正しい番号は、チェックデジットが大抵異なります(9分の8の確率で)。
そのため、間違った番号を入力していたら、チェックデジットが一致せずにアラートが出る確率が高いのです。不運にもチェックデジットまで一致してしまう可能性もありますが、間違いを大幅に減らせることは確かです。
JANコードのアイテム桁数は2種類ある
上の「3桁:商品アイテムコード」という説明を見て「少ない」と感じた人もいるでしょう。最大で999しかないためです。一定以上の規模のアパレル企業であれば、当然これでは足りません。
実は、アイテム桁数は「5桁」のこともあります。この場合「99999」まで付けられるため、ほぼ10万点を扱えます。
そして、アイテム桁数が2つ増えた分、企業の桁数は2つ減ります。9桁から7桁になります。
- 7桁:GS1事業者コード
- 5桁:商品アイテムコード
- 1桁:チェックデジット
となるわけです。最大10万点を扱うような企業は限られているため、全世界共通だとしても、事業者コードを減らして問題ないわけです。
JANコードは国際規格であるため、海外展開した際にもそのまま利用できるというメリットがあります。近年はeBayやAmazonなどを使って簡単に輸出ができる時代です。そのため、ますます国際規格を導入するメリットが大きくなっているといえます。
SKU番号で管理するシステムの導入に、コストがかかる
SKU管理をエクセルなどの表計算ソフトで行うことはかなり酷です。基本的にシステムを導入します。
このシステムの導入に一定のコストがかかり、これが最大のデメリットとなります。
「番号を振ること自体はすぐにできる」「しかし、システムの費用が高いので、すぐには導入できない」というケースも多いでしょう。これについては、優れた機能をリーズナブルに使えるシステムを選ぶことが解決策となります。
いいシステムでなければ、導入後の運用も負担になる
基本的に、在庫管理や商品管理のシステムは、SKUを用いるものです。この点は共通ですが、システムの使いやすさには当然差があります。
使いにくいシステムを導入してしまった場合、導入後の運用自体も負担になる恐れがあるわけです。これについては、それぞれの業界で特に使いやすいシステムを採用することが解決策となります。システム提供元の企業が使用感に対し柔軟に対応してくれるかも1つのポイントでしょう。
まとめ:SKU管理には高機能なクラウドとPOSレジが不可欠
SKUで商品を管理するには、高機能なクラウドシステムと、連携するPOSレジが不可欠です。そして、アパレルの店舗様・企業様がこれらを導入するのであれば、アパレルに特化したシステムとPOSレジを用いるのがいいでしょう。
弊社が提供する『アパレル管理自動くん』は、そのようにアパレル事業に特化した高機能なクラウドシステムです。POSレジの『アパレル管理自動くんPOSレジ』も同じくアパレル店舗の運営に特化したものであり、ともにSKU管理に完全対応しています。両社を自動連携させることでSKU管理もさらにしやすくなります。また、SKUを導入するノウハウをこちらで公開していますので是非ご覧ください。
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