次世代のテクノロジーとして注目を集めるAI(人工知能)。アパレル業界でもAIを活用したサービスが台頭し始めています。
今回注目するのは、#CBKや#CBK magazineなどのファッションメディアを運営する株式会社ニューロープがリリースした「カブキスキャナー」というサービス。ファッションスナップをAIが解析し、ショップ店員になり代わっておすすめのコーディネートや気になるアイテムを自動でレコメンドしてくれるとか。
その実力を深堀りします。
カブキスキャナーとは?
(出典:#CBK)
カブキスキャナーの主な機能は以下の3つです。
・ユーザーが選んだ写真をAIが解析
・提携するEC内の類似商品を紐づけして表示
・好みに合いそうなコーディネートをレコメンド
ニューロープ社では、#CBKや#CBK magazineなどにアップされた100万枚以上の膨大な数のファッションスナップを、ディープランニングの手法を用いてAIに学習させています。そのデータを元に、着用アイテムの色やデザイン、スタイルの特徴といったさまざまな情報をAIがアイテムごとに判定し、類似商品やユーザーの好みに合いそうなコーディネートを提示するのです。
ディープラーニングを用いて画像解析をするには大量のデータベースが必要になりますが、カブキスキャナーはこの点において、#CBKや#CBK magazineに蓄積されたリソースを最大限に活用するシステムを構築しています。そして常に最新のスナップをインプットし続けているので、今この瞬間も精度は向上し続けています。一朝一夕には真似することのできないオンリーワンのサービスといえるでしょう。
ファッションに特化した2つの人工知能
(出典:カブキスキャナー)
現在カブキスキャナーの技術を用いたテストサービスがスタートしています。その名もファッションスナップを解析する「ファッションおじさん」とコーディネートを提案する「人工知能ショップ店員Mika」。どちらもLINE@のアカウントで、LINEで友達申請するだけでだれでも気軽に利用することが可能です。
ファッションおじさんのLINE上にファッションスナップを投稿すると、着用アイテムを「トップス」「ボトムス」「シューズ」といった種類ごとに分類すると同時に、例えば「ブルゾン」「ジーンズ」「スニーカー」など、デザインのテイストが解析されます。そして#CBKとの連携により、解析結果から導かれた類似商品が表示される仕組みになっています。
一方人工知能ショップ店員Mikaは、投稿されたスナップを解析しておすすめのコーディネートをレコメンドしてくれるサービスです。「ガーリー」「マニッシュ」「ナチュラル」などテイストの指定も可能で、通常店舗でおこなわれるショップ店員とのやりとりをバーチャルにLINE上で体験することができます。
自社ECへの導入も可能
(出典:カブキスキャナー)
カブキスキャナーの技術は、ニューロープ社のオウンドメディアだけでなく、ECサイトやファッションメディア、SPAブランドなど、パートナー企業への提供もはじまっています。つまりカブキスキャナーのAI機能を自社EC用にカスタマイズして活用することができるのです。
例えばカブスキャナーの機能を活用してスタッフがブログにアップしたコーディネートの関連商品を表示したり、ユーザーがピックアップした商品からおすすめのコーディネートを提案してまとめ買いを促すことにより、CTR(クリック率)の向上が見込めます。
また商品画像やスタッフスナップなどのコンテンツをAIが自動でタグ付けしてくれるので、情報の入力漏れを防いだり、ユーザーのアクセスログから好みのテイストを導き出したりといった応用も期待できそうです。
まとめ
カブキスキャナーの公式ホームページでは、AIが来店客のコーディネートを分析し、デジタルサイネージ上で一次接客をおこなうサービスや、監視カメラによる客層の分析、SNS上の画像解析によるトレンドの予測など、これまで想像もできなかった画期的な試みが紹介されています。
AIはアパレルの常識を変えていくかも知れません。これからも注目すべきテクノロジーであることは間違いないでしょう。
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